


ファストファッションが日常に溶け込んだ今、服に対する意識や感情は、かつてより薄くなっているのかもしれません。
本来、服は身を守るためのものであり、自分を映す表現でもあります。しかし世界には、身を守る服すら持てない人がいるという現実も同時に存在しています。好きな服を選び、買うことができる僕たちは、どれほど恵まれているのか。その実感は、真逆の環境に身を置かないと掴めないものかもしれません。でも、想像し、意識することは、ここからでもできると思っています。
Tsukuba Madeは、その「意識の入り口」を、服を通してデザインしているブランドです。2024年、筑波大学雙峰祭にてポップアップイベントを出店しました。その売上の一部で、私たちはRemake Workshopを企画。参加者には“着なくなった服”を持参してもらい、ワークショップ限定ロゴを自分の手でシルクスクリーンプリントしてもらう場をつくりました。
シルクスクリーンは、刺繍とは異なり、人の動きそのものが表情になります。刷るスピード、インクを落とす力、腕を動かすタイミング—そのすべてが微妙な個性となり、同じ版でも同じ仕上がりは二度と生まれない。だからこそ、一着ごとにその人だけの空気が残るのです。
私たちが提供したかったのは、リメイクの“結果”ではなく、工程に触れる体験。
服の背景に自分の手の記憶が重なれば、愛着は自然と生まれる。そしてその服が、誰かのクローゼットの奥ではなく、もう一度日常へ戻っていくきっかけになれば、それで十分だと思っています。
「服への想い」が再び「着る理由」になりますように。それがこのワークショップに込めた願いです。